みなさん、こんにちは!組織開発ロールの山下です。

前回の記事で紹介した「NVC」などの学びによって、「関係の質」が改善したACEが次に取り組んだのは、チーム内の「ランク(力の差異)」や繰り返しているパターンに目を向けることでした。

ランク(力の差異)とは

ランクとは、人間関係を左右する見えない力の差異のこと。
その当時、ACEに「ある」として出てきたランクは、以下のようなものでした。

“役職、勤続年数、この分野における経験、働く時間、語学力、ITスキル、家族のサポート、住んでいる場所、年齢、インドやガーナとのつながり、海外事業と国内事業、思いの強さ、外部とのつながり・ネットワーク、発言力、決定権限、子どもの有無、自己肯定感…等”

ランクが厄介なのは、これはあくまで「ランクが下」だと感じている人の主観であり、お互いに相手の方がランクが上だと感じているケースもあること(ランクのねじれ)。
研修の一環で、お互いにその人の「ランクが上」だと感じることを出し合うワークをしたのですが、私自身指摘されて初めて気づかされるものもありました。

ランクという概念があること、そして「ランクが上」の人はその力を自覚することにより、無自覚な乱用とそれによって生じてしまう痛みを避けることができることを学んだ後、目を向けたのは、ACEの中で繰り返しているパターン、構造的な課題でした。

この時に理解の助けになったのは、ものごとの全体像を捉えるフレームワーク「氷山モデル」です。

“氷山モデルとは、システムの全体像を氷山にたとえ、私たちが魅惑されがちな「できごと」は海面上につきだしている氷山の一角に過ぎず、海面下の目に見えにくいところに「パターン」「構造」「意識・無意識の前提(メンタル・モデル)」があるとするシステム思考のフレームワークです。”

出典:チェンジ・エージェントWebサイト

ACEにあったメンタル・モデル

このモデルに則って、実際に起きていること、変えたいと思っているのに繰り返しているパターンに目を向けた時、その根底にある「意識・無意識の前提(メンタル・モデル)」が浮かび上がってきました。

その当時のACEのメンタル・モデルの一部をご紹介します。

機会は生かさなければならない

適当にはできない

期待に応えなければならない

貢献的でなければ、ここにはいられない

ネガティブなことは言うべきではない

やりたいことは結局できない(やることをやってから)

失敗できない

自分はトップ2人(岩附、白木)ほど力がない、力が足りない

私たちがやらなきゃいけない

どれも、今読んでも心がきゅっとなるようなフレーズですが、これが組織のメンタル・モデルとして根底にあることを認めた時、氷山の上の方で繰り返しているパターンや変えたいのに変わらない現実に向き合う糸口を得られたように思います。

その当時のACEにこれらがあることを、スタッフ全員で眺めた後、これに変わる新しいメンタル・モデルとして、ACE「ええんやで」5原則なるものを、皆で考えました。本稿の最後に、そちらを紹介します。

ACE「ええんやで」5原則

1 対立しても、ええんやで。
     かならずわかりあえるから。
2 足りなくても、ええんやで。
  (あんたそのままで、ええかんじやん。)
3 失敗しても、ええんやで。
4 やらなくても、ええんやで。
5 まずは、自分が、
   しあわせになるんやで。